features 映画のような近未来空間はひとつを際立たせるのではなく、空間で奏でるという哲学

ファッションがその人の気分を表しているのなら、インテリアはその人の生き方を表しているのだと思う。対峙したその「空」の「間」に、何を想い何を描くか。ある人は衣服のように気分で何度もインテリアを変えたいと思うかもしれない。またある人は、自分の人生を刻む相棒であると想って選ぶかもしれない。いずれにせよ、暮らしには意志をもった美学が必要だ。

ブランド・ストーリーは、
創業者Minottiの情熱からはじまる

第2次世界大戦が終戦した後の1950年代、創業者であるアルベルト・ミノッティ氏は、18世紀末から高級家具作りで栄えた街・ブリアンツァにクラシック家具工房を立ち上げたことで今に至る。ブリアンツァとはミラノの北に位置する町で、コモ湖の湖畔にはリゾート地がひろがる。

第一のポリシーとして
「デザイナーの個性」ではなく
「ブランドの個性」であるべき
という方針を打ち出す

美しい自然を満喫しつつ、優雅でラグジュアリーな時間が流れるこの町は、セレブリティが週末に滞在する別荘地帯でもある。そのための別荘建築やモンツァに離宮を建てるために多くのマイスターを招聘したことでも有名だ。そのような背景からも、他のイタリアの産地と比べブリアンツァの家具というだけで一目置かれる品質の高さである。この町で幼少期を過ごしてきた先代は、暮らすことの豊かさという概念が染みついていたのだろう。早くから家具作りに対する哲学が完成されていた。第一のポリシーとして「デザイナーの個性」ではなく「ブランドの個性」であるべきという方針を打ち出す。これは現代にも受け継がれている調和の美という基本概念にも繋がっているのだ。

ミノッティが大事にしていること。
それは創り出す「アトモスフィア」

ミノッティというブランドを語る上でベースとなるのが、「アトモスフィア」。つまり彼等が創り出す空気感・世界観だ。この“彼等”とは、ミノッティファミリーと蜜月関係にあるロドルフォ・ドルドーニの存在が重要になる。ロドルフォ・ドルドーニは1954年、ミラノに生まれた

ミノッティファミリーと
蜜月関係にある
ロドルフォ・ドルドーニの
存在が重要になる

建築家。ドルチェ&ガッバーナなどの空間デザインをはじめ、家具・照明のプロダクトデザインに携わる人気のデザイナーだ。その中でも15年以上にわたるミノッティとのコラボレーションは、まさにライフワークであり、ミノッティファミリーのブランドポリシーやセンスを忠実に体現できるのも、このドルドーニを措いてほかならない。家具デザイン界でゆるぎない地位を築き、ミラノサローネのブースデザインやニューヨークショールームなど、活動領域を多岐にひろげている活躍ぶりだ。そのドルドーニも、自身の個性を前面に押し出すデザインに固執することなく、ミノッティとのコラボレートに愉悦し、彼等にしか醸し出すことのできないアトモスフィアこそが第一の商品であると考えているのだと思う。だからこそミノッティの家具は、空間全体としてはじめて成り立つ世界観があり、調和こそが美であることを語りかけてくるのだ。

Masuko Yujiro | 益子 雄二郎

ゼネラルマネージャー。ミノッティのカラーリングの特徴といえば、グレイッシュなトーンで落ち着きのあるもの。今回コラボレートした三菱地所ホームの赤坂ハウジングギャラリーの内装も、ナチュラルで明るい感じというよりはダークなグレー調。トーンや想いの部分が合致していると思う。

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