企み、挑み、語れる仕事を

代表取締役社長
細谷 惣一郎

積み重ねてきたことが
これからも強みになる

私たちが携わる「住」は、人が生きていくのに欠かせないものであり、少なくとも“なくなることはない仕事”と言えるでしょう。しかしながら、スクラップアンドビルドという考え方は鳴りを潜め、ストック住宅の需要が増大する一方で、ここ数年で新築戸建の平均請負価格が1.5倍ほどに上がるなど、市場は刻々と変化をしてきています。また、少子化が進んだり、共働きが一般化したりと、暮らし方が多様になる中で家に求められるものも変わってきました。そのような状況において、創業からの40年で積み重ねてきた技術やノウハウは、大きな武器になっていると感じています。
例えば、フルオーダーを標榜している当社の注文住宅は、「エアロテック」と呼ばれる全館空調システムが大きな特徴です。全館空調は今では各社が取り組んでいますが、私たちにはこだわり続けてきた長い歴史があります。歴史があるということは、それだけ多くのお客様のお声を聞き、反映してきたということ。だからこそ、単に全館空調という言葉に留まらない快適さや、新たな価値につながる「コト(=体験)」を生み出せており、それが確かな強みとなっているのです。

声を聴く、
それを皆で形にしていく

ニーズが次々と移ろう時代において、何をしなければならないか。大切なのは、「お客様に選ばれ続ける」ための努力と工夫をこれまで以上に取り組んでいくことです。近年では、付加価値の高い住宅を求められるお客様が増えてきていることからも、住まいに対する想いを強く持っている方が多くなってきていると言えるでしょう。私たちは、その期待を常に超えていけるような集団であり続けたいと考えています。そうなるためには、お客様のお声をしっかりと受け止められる姿勢がなければならず、卓越したコミュニケーション力が欠かせません。目の前のお客様が何を想い、どんなことを考えているのかを寄り添って聴ける力。そして、形にしていけるチームワーク。それらも当社のメンバーが持つ、かけがえのない強みなのです。
そうした私たちが持つケイパビリティとグループの総合力を生かし、今後は新しい事業領域にも挑戦していきたいですね。しかし、新たな価値を生み出せる事業をつくるためには、新しい視点が必要不可欠です。ぜひ、これから入社される皆さんには、お持ちの個性を存分に生かしてほしいと考えています。

サステナブルの
中核を担う存在に

ところで、皆さんは「木」の大切さについて考えたことはあるでしょうか。かつては森林伐採が声高に叫ばれていましたが、今の建築業界はカーボンニュートラルのために「木を使おう」という動きに変わってきているのです。ただし、そこには“正しく”という前提が付きます。木を正しく使えば、良質なサイクルが生まれ、森は適切な機能を果たしてくれるようになるのです。そうなってくると、日本の林業も盛り上がっていきますし、地産地消が進めば、海外から輸入するためのエネルギーコストを抑えることもでき、脱炭素化という観点からも地球環境に配慮できるようになります。このサステナブルな資源を使い、木造木質化事業を進めていくことで、当社は持続可能な社会の実現を目指しているのです。規制の緩和など非常に大きな挑戦ではありますが、木造住宅に携わり続けてきた私たちとしては、創業からコツコツと積み重ねてきたものを発揮できるチャンスだと考えています。これは、三菱地所グループ全体で取り組むべき目標にも位置付けられており、グループで世界中に木造の建築物を広げていく際には、当社の果たす役割も大きくなっていくと考えています。

自分の意志で進むことが、
かけがえのない経験になる

求められるものが変わる中で、お客様の期待を超え、自分自身を大きく成長させていく。それを叶えるためにも、健全に「企む」ことを楽しんでほしいと考えています。企むは、企画の「企」ですね。ルーティンと呼ばれる仕事も大切ですが、そこに埋もれてしまってはいけません。自分でやりたいと企んで挑戦をする。その気持ちは求めたいと思っています。
そして、企む際に忘れないでほしいのは、北極星はいつでもお客様であるということです。その想いがなければ絶対にいい仕事にはなりません。また、なぜそれをしたいのか、それをするとどうなるのかをきちんと言語化するようにしてください。そうすれば、たとえ失敗をしたとしても振り返ることで自信につながり、必ず一つ成長できます。それを繰り返すことで、仕事はどんどん楽しくなっていくはずです。
お客様の想像以上のものをご提案できるようになると、お客様は本当に嬉しそうな顔をしてくださいます。そこにある笑顔は、きっと忘れられないものになると思いますよ。チャレンジできる環境はつくり続けるので、若い方たちは自分の役割を決めつけず、色々なことに取り組んでいただけたら嬉しいですね。ぜひ、自分で語り尽くせる仕事をつくってください。私たちは、背中を押し続けます。