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全館空調 | 2025.05.20

全館空調とは?メリット・デメリットや導入する際の注意点や導入方法を解説

全館空調換気空調エアコン

快適な暮らしを実現させるためには、全館空調の導入がおすすめです。季節を問わず室温を一定に保てる、室内の空気をきれいに保てるなど、さまざまなメリットがあります。

しかし、全館空調の家に住んだことがないとわからないことも多く、本当に導入すべきかどうか迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、全館空調のメリットとデメリットや必要性、導入する際の注意点などを解説します。

1.住宅の全館空調とは

全館空調とは、家全体の空気を効率的に循環させて温度を調整する冷暖房システムです。これにより、特定の部屋だけではなく、廊下やトイレ、洗面所なども快適な温度に保つことができます。

このシステムは、主に天井吹き出し型、床下冷暖房型、壁パネルによる輻射型、壁掛けエアコン型といった異なる冷暖房方式があります。

日本では「冷暖房は人がいる場所だけで十分」と考える方が多いため、空調は局所式冷暖房システム(個別空調)が主流となっています。

一方、アメリカなど海外では「効率良く快適に過ごせること」が重視されているため、全館空調が一般的です。日本でも海外赴任などで全館空調を利用し、その快適性に感動して「一度体験するとやめられない」という方もいます。

2.全館空調のメリット

全館空調を導入する場合、先にどのようなメリットを得られるのか把握することが大切です。

全館空調の最大の魅力は、家全体の温度を均一に保つことができる点です。これにより、各部屋の快適さが向上し、特に季節の変わり目に感じやすい温度差によるストレスを軽減できます。

また、夏場の暑さや冬場の寒さによる悩みが解消されるため、家族全員が快適に過ごすことが可能になります。

加えて、全館空調は通常のエアコンと比較すると室内機や配管を目立たなく設置できるため、インテリアの美観を保つことにも役立ちます。

さらに、高性能の換気機能を搭載している製品が多く、室内の空気を清浄に保つことで、アレルギーや喘息を持つ方にも安心して住むことができます。

以下では、全館空調の具体的なメリットについて解説します。

2-1.家中を快適な温度に保てる

全館空調の導入により、家中が均一な温度に保たれるのが最大の魅力です。各部屋が快適に利用できるだけでなく、夏の暑さや冬の寒さによるストレスが軽減されます。

特に多くの家庭が直面する「冬のトイレが寒い」「夏の2階が暑い」といった問題も、全館空調により解消されます。

また、温度調整を待たずに快適な環境で生活できることも大きなメリットです。

部屋が暖房で暖まるまで待つ、冷房で冷えるまで待つといったタイムロスがなくなるでしょう。
全館空調は、部屋ごとにエアコンを使う必要がなく、すべての空間が快適な状態で保たれることも魅力の一つです。

2-1-1.ヒートショックを防げる

快適な温度に関して、もう一つ挙げられるメリットがヒートショックの防止です。

ヒートショックとは、部屋の温度差によって急激に血圧が上下し、心筋梗塞や脳内出血などを引き起こすことを指します。家の内部で起こる事故の主な原因であり、死者が出たケースも少なくありません。特に冬の寒い時期には、浴室やトイレへ移動する際の温度差が大きくなるので注意が必要です。
全館空調があることで、温度差をほとんど感じることなく、快適な環境を維持できます。

住宅の安全性を保つ意味でも、全館空調はとても有用でしょう。

2-2.家の空気をきれいに保てる

エアロテックの高性能な除塵フィルターがクリーンな空気をつくる様子

住宅の快適性および住人の健康状態を高めるためには、家の空気をきれいに保つことも大切です。全館空調を導入すれば、冷暖房だけではなく換気も効率的に行なうことができます。

外気には花粉や砂ぼこり、室内でもダニの糞や衣類のホコリなど、目に見えない有害物質が至るところで発生しているため、日常生活において換気は欠かせません。個別空調の場合、部屋ごとに空気清浄機などを設置しなければなりませんが、全館空調ならその必要もなくなります。

さらに、全館空調は一般に多く採用されている第三種換気の24時間換気システムとは異なり、第一種換気であることが多く、効果的に室内の有害物質を外に排出し、フィルターが外からの花粉やPM2.5を室内に入りにくくします。このため、特にアレルギーや呼吸器系の健康に不安がある家族がいる家庭にとって、全館空調は非常に有益な選択肢となるでしょう。

三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」なら、およそ2時間で家全体の空気が入れ替わるペースで換気。高性能なフィルターを通して空気清浄された空気が家全体をめぐります。

2-3.間取りの自由度が上がる

全館空調を取り入れることは、間取りの面でもメリットがあります。個別空調のように扉や仕切りで冷暖房効率を高める必要がないため、結果として間取りの自由度がグッと上がります。

全館空調は高気密・高断熱の住宅と相性が良いため、快適性を損なうことなく、大胆なデザインや間取りを楽しむことができます。

広々とした開放的なリビングを作ったり、廊下の一部にワークスペースを設けたりするなど、自分や家族の希望に合わせて空間を活用できることは大きな魅力でしょう。

また、ロフトやスキップフロアなど個別空調が効きにくい場所も快適に保てるので、間取りの選択の幅がさらに広がります。

このように、家族のライフスタイルや趣味に合わせた間取り設計を行うことが可能になり、住環境に対する満足度を高める要素ともなります。

2-4.電気代を抑えられる

全館空調はコストが高いと考えられることが多いですが、実際には部屋ごとに冷暖房設備を利用するよりも電気代を抑えることが可能です。
例えば、三菱地所ホームが提供する全館空調「エアロテック」では、冷暖房効率が業界トップクラスであるCOP※4.43を実現しています。それに対して一般住宅の年間冷暖房費(ガス併用)は約89,000円ですが、「エアロテック」を導入すると年間約55,000円に抑えられ、約38%の削減が可能です。

また、全館空調は24時間稼働するため「電気代が上がるのでは?」と思われがちですが、運用方法によっては省エネ効果が期待できます。こまめにエアコンをON/OFFするよりも、一定の温度で運転し続ける方が電気代を抑えることができます。エアコンが効きはじめるまでの電力消費を考慮すると、長時間稼働させる方が効率的だからです。このように、全館空調は高い初期投資が必要ですが、長期的にはコストを抑えることができます。

加えて、全館空調はCO2排出量を年間で約40%削減できるため、環境に配慮した選択ともなります。全館空調の導入を考える際には、こうした電気代の面を含めた経済性をしっかりと検討することが重要です。

※ COPとは、JISで定めた機器のエネルギー消費効率の値。大きいほど高効率を表します。

3.全館空調のデメリットや欠点

全館空調は快適な住環境を提供しつつも、いくつかのデメリットがあります。

まず、初期費用が高くなることが挙げられます。これにより、導入を検討する際には慎重に予算を計画する必要があります。
また、電気代の増加も考慮しなければなりません。特に外気温が極端に変化する季節には、運用コストが予想以上にかさむ場合があります。
加えて、部屋ごとの温度調整が難しく、家族の好みや体感に応じた快適さを維持することが難しいことも心配の種です。

最後に、全館空調の維持管理に手間がかかるため、定期的なメンテナンスを行うことが求められます。
デメリットをしっかりと把握した上で、自分たちの生活スタイルに適した選択をすることが重要です。

以下では、具体的なデメリットについてさらに詳しく解説します。

3-1.全館空調の初期費用が高い

全館空調を導入する際の初期費用は、メーカーによって異なるものの、一般的には100万から300万円程度が相場とされています。

初期費用の幅は、システムの性能や設計の複雑さによっても変動します。

エネルギー効率や静音性に優れたモデルは高価格帯に位置づけられることが多くコストも比例して上昇するため、予算オーバーに注意が必要です。

また、個別空調を選ぶ際も注意が必要です。部屋数や設置する機器の種類によっては、全館空調と同等の初期費用がかかることもあります。
複数の部屋にそれぞれエアコンを設置する場合、それに伴う配管工事や電気工事の費用が高くなりがちです。広い家の場合、効率的な冷暖房を実現するために部屋ごとの温度管理を行う必要があり、結果的に高額なコストにつながることもあります。

3-2.電気代が上がる場合もある

注意が必要な点として電気代の増加があります。通常の冷暖房に比べて、全館空調は24時間稼働するため、使用状況によっては電気代が高くなる可能性があります。

特に寒冷地や夏場の冷房を行うときは、想定以上に電気代がかさむことも考慮しなければなりません。
しかし、全館空調は脱衣所、玄関、トイレなど家中の全ての空間を快適な温度に保てるため、個別エアコンの場合のように補助冷暖房器具を増設する必要がありません。この点を考えると、全館空調を導入することで実際には電気代を抑えられることもあります。

3-3.部屋ごとの温度調整ができない

快適に感じる温度は人によって異なりますが、一般的に全館空調は部屋ごとの温度調整ができないというデメリットがあります。たとえば、火を扱うキッチンだけ温度を下げる、寒がりの方の部屋だけ暖かくするといったことはできない場合が多いです。

そのため、家族の中に温度に対する好みや体感差が大きい人がいる場合は、全館空調では不満を感じる場面もあるでしょう。

しかし、三菱地所ホームの「エアロテック」は全館空調でありながら、部屋ごとの温度調整が可能です。建物の立地条件や部屋のコンディションによる温度差も細かく制御できるため、家族それぞれが快適に過ごすことができます。

「一般的なゾーン制御の全館空調」の場合(各ゾーンを冷房28℃に設定)
「一般的なゾーン制御の全館空調」の場合(各ゾーンを冷房28℃に設定)
「エアロテック」の場合(全室を冷房28℃に設定)
「エアロテックの場合」(全室を冷房28℃に設定)

全館空調「エアロテック」を詳しく見る

3-4.全館空調は乾燥しやすい

全館空調を導入する際の一つの懸念事項は、空気の乾燥です。特に冬場には、暖房により室温が上昇し、相対湿度が低下しやすくなります。これは全館空調に限らず、通常のエアコンでも同じことです。乾燥は体に不快感を与え、肌トラブルや風邪の原因にもなります。

このため、全館空調を利用する家庭では、加湿器の導入や、加湿機能が搭載されたシステムの選択が重要です。加湿器を選ぶ際には、その性能やメンテナンスのしやすさ、静音性などを考慮すると良いでしょう。

4.全館空調の導入方法

全館空調を導入するには、家づくりの段階からしっかりと計画することが大切です。

導入方法には主に「ハウスメーカーで建てる際に全館空調を取り入れる方法」と、「ビルダーフリーのシステムを利用する方法」の2つがあります。それぞれに特徴や注意点があるため、ご自身の合った最適な方法を選びましょう。

ここでは、「全館空調に興味はあるけど、どのように導入するの?」という方に向けて、それぞれの全館空調の導入方法を解説します。

4-1.ハウスメーカーの全館空調システムを導入する

ハウスメーカーの全館空調システムであれば、設計などの計画とともに導入を検討できます。

ただし、ハウスメーカーによっては全館空調の設計(空気の流れやダクト・吹き出し口の配置など)を、業者に任せてしまうことがあります。その場合に、ベッドの真上に吹き出しがくる、間取りの設計とうまく調整できないなど、問題が生じるケースがあるようです。

また、全館空調をうまく機能させるためには、住宅の気密性や断熱性を考慮した設計も重要です。高気密・高断熱の住宅では、冷暖房の効率が向上し、電力消費を抑えられるため、全館空調のメリットを最大限に引き出すことができます。

三菱地所ホームは設計士が建物と一緒に全館空調の設計も行なうので、家ごとの設計に合わせてベストな全館空調を提案することができます。空気環境を住宅性能の一部として考える当社だからこそ、建物と一体となった空調設計が可能です。

また、ハウスメーカーによっては複数種類の全館空調を使い分けている場合もありますが、三菱地所ホームの「エアロテック」は三菱電機との共同開発の全館空調を採用しており、研究実績も豊富でノウハウの蓄積があるため安心です。

なお、三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」は独自のシステムで構築されているので、他のハウスメーカーで建てる際には導入できないためご注意ください。

4-2.ビルダーフリーの全館空調システムを導入する

ビルダーフリーの全館空調システムとは、空調メーカーの販売代理店である工務店が取り扱っているものです。こちらであれば、ハウスメーカーで注文住宅を建てなくても、全館空調を導入できます。

ハウスメーカーの全館空調システムは天井吹き出し型が一般的ですが、ビルダーフリーの全館空調は床下冷暖房型や壁掛けエアコン型などから選択できます。

5.全館空調を導入する際の注意点

全館空調の導入時にいくつか気をつけておきたいポイントがあります。

導入後に「思っていたより快適じゃない」「メンテナンスで困っている」といったトラブルを防ぐためにも、事前の確認や準備がとても重要です。以下では、全館空調を取り入れる際に押さえておきたい注意点について解説します。

5-1.アフターサービスが充実した会社を選ぶ

全館空調はどのような製品を導入するとしても、定期的なメンテナンスが必要となります。そのため、ホームページや担当者に確認しながら、アフターサービスが充実した会社を選ぶことが大切です。

三菱地所ホームの「エアロテック」は、最大10年間の保証に加えて、当初5年間「5年点検パック」期間中は、アフターサービスとして専門技術者による点検を年1回実施しています。
※6年目以降は年一回の『定期点検制度(有料)』を実施することで不具合を事前にキャッチし、突発的な故障を減少させ、継続年数に応じて最大10年間保証。
三菱地所ホームでは確かな技術と自信で長期保証を実現し、将来にわたり安心いただけるサポート体制を整えています。

全館空調「エアロテック」の長期保証について

5-2.気密性・断熱性の高い住宅にする

全館空調を導入する場合は、住宅の気密性・断熱性をできるだけ高めることが大切です。

気密性が低い場合、外気が室内へと入り込みやすくなるので、快適な温度に保たれた空気を無駄に逃がしてしまうことになります。また、断熱性が低い場合、外気温の影響を受けやすくなるため、快適性を維持しづらくなってしまいます。

三菱地所ホームでは国内トップレベルの高気密・高断熱を実現。一度冷暖房を整えれば、恒常的に空気環境をキープできる魔法瓶のような家づくりを行っています。

6.新築の家に全館空調は必要?

全館空調システムは、単なる冷暖房機能にとどまらず、空気清浄や調湿機能も兼ね備えています。きれいな空気や心地よい空間を提供してくれるため、生活の質を格段に上げることができます。

「全館空調は贅沢」と考える方もいますが、快適な暮らしの実現および家族の健康増進を踏まえれば、多少コストがかかっても導入するメリットは大きいといえるでしょう。

特に、新築の際に全館空調をの導入を検討することをおすすめします。全館空調システムは、一般的なエアコンと違い住宅の気密性や断熱性を考慮した設計が必要です。リフォームで後づけする場合は間取りによっては導入できないケースもあります。

三菱地所ホームの「エアロテック」は、快適性・省エネ性・メンテナンス性、いずれの面でも優れた性能を持つ全館空調のため、より良い住み心地をお求めの方にはおススメの設備です。

7.ホームギャラリーで全館空調の快適さを体感

全館空調システムは快適な暮らしを実現してくれるので、これから新築の注文住宅を建てるなら導入する価値は大いにあります。しかし、実際に性能を確かめなければ、導入するかどうか決められないという方も多いでしょう。

三菱地所ホームのホームギャラリーでは、全館空調による快適な空間を体感できるだけでなく、エアロテックについて詳しく紹介しています。ぜひお近くのホームギャラリーまでお越しください。

モデルハウス来場予約はこちらから

8.【まとめ】全館空調のメリットとデメリット

全館空調は、家全体を一定の温度と湿度に保ち、どこにいても快適な空間を実現できる設備です。冷暖房だけでなく、換気や空気清浄も一括で管理できる点は大きなメリットであり、花粉症やアレルギーが気になるご家庭にもおすすめです。

一方で、初期費用が高くなることや、気密・断熱性能の低い住宅では効果が発揮しづらいというデメリットもあります。また、導入後のメンテナンス体制やアフターサービスの充実度も、選ぶ際の重要なポイントになります。

こうしたメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、自分たちの暮らしに合った全館空調を選ぶことが、長く快適に住み続けるためのカギとなります。

三菱地所ホームでは、建物と一体で設計された全館空調「エアロテック」によって、快適性と住宅性能の両立を実現しています。注文住宅をご検討の際は、ぜひ全館空調の導入も選択肢のひとつとしてご検討ください。