家を新築するなら、長期優良住宅の認定を受けることで、税制優遇や補助金などのメリットを受けられます。ただし、長期優良住宅はコスト面やスケジュールなどのデメリットもあるため、事前にしっかりと計画を立てることが大切です。
本記事では、長期優良住宅の認定基準や主なメリット、知っておきたいデメリットについて解説します。
1.長期優良住宅とは
長期優良住宅とは「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」で定められた、住宅性能に関する基準を満たす住宅のことです。
要件としては、新築で劣化対策や耐震性能、省エネルギー性をはじめとして、いくつかの基準を満たす必要がありますが、認定を得られると、税制面でさまざまなメリットがあります。
主に以下の3つの観点からこの制度がつくられました。
(1)住宅ストックの質の向上と安全性
地震に強い構造や高い断熱性能、維持管理のしやすさを備えることで、災害時にも安全で、世代を超えて住み続けられる質の高い住宅を増やすことができます。
(2)「作っては壊す」から「循環型」社会への転換
従来の「建てる → 数十年で解体する(スクラップ&ビルド)」という文化から脱却し、環境負荷や住み替えの経済的負担を減らすことができます。
(3)中古住宅(ストック)市場の活性化
「しっかりメンテナンスされてきた質の良い家」が客観的に評価される仕組みをつくり、中古でも安心して買える・売れるようになります。
参考:長期優良住宅のページ(国土交通省)
1-1.長期優良住宅となる条件
長期優良住宅となる具体的な条件には、以下のものがあります。
・劣化対策
・耐震性
・省エネルギー性
・維持管理・更新の容易性
・可変性
・バリアフリー性
・居住環境
・住戸面積
・維持保全計画
・災害配慮
劣化対策としては、住宅の構造躯体を数世代にわたって使用できることが求められます。維持管理・更新の容易性とは、配管など躯体より耐用年数が短い設備配管について、簡単に点検や補修ができるよう必要な措置(メンテナンスしやすい工夫)ができていることです。
長期的なライフスタイルの変化に対応できる可変性や、バリアフリー住宅にできるよう一定以上のスペースの確保まで対応する必要があります。雨漏れの防止施策や設備の維持計画など、維持保全計画についても事前に策定も必要です。
長期優良住宅の認定を受けるためには、着工前に手続きする必要があります。認定を受けてからも、維持保全計画書に基づいて点検し、必要な補修や改良を行い、その内容を記録・保存しなければいけません。
2.長期優良住宅のメリット

長期優良住宅のメリットには、以下のようなものがあります。
・住宅ローン控除の控除額が増える
・固定資産税などの税金負担が軽減される
・フラット35の金利が優遇される
・補助金を受けられる可能性も
・快適で省エネな家になる
・リセールバリューが確保しやすい
それぞれについて、詳しく解説します。
2-1.住宅ローン控除の控除額が増える
住宅ローン控除とは、住宅ローンを使って住宅を購入した際に、所得税の減税が受けられる制度です。
認定長期優良住宅でかつ2026年〜2030年末までに入居する場合は13年間、0.7%の控除率で所得税の控除が受けられます。最大控除額は新築の場合で409.5万円、子育て世帯の場合は455万円です。
子育て世代の場合は、借入限度額や最大控除額の面で優遇されます。子育て世帯とは、18歳未満の子どものいる世帯(子育て世帯)、または夫婦のいずれかが39歳以下の世帯(若者夫婦世帯)であることのどちらかを満たす必要があります。
実際の控除額は、住宅ローン借入額や所得額で変わります。そのため、実際に利用する際には、早めに相談することが大切です。
※2026年8月現在の情報
2-2.固定資産税などの税金負担が軽減される
長期優良住宅の場合、固定資産税や登録免許税、不動産取得税などの税金負担が軽減されることがメリットです。
固定資産税とは、土地や家屋などの固定資産を所有している人にかかる税金です。固定資産税の税率は土地や建物の評価額に対して1.4%かかります。2031年(令和13年)3月31日までに住宅を取得すると、通常であれば3年間固定資産税の減税が受けられますが、長期住宅の場合は5年間に延長され、税金負担を軽減できます。
登録免許税とは、土地の購入時に必要となる移転登記や保存登記をする際にかかる税金です。期日は2027年(令和9年)3月31日までとなっており、以下の費用が軽減されます。
・保存登記費用:0.15%から0.1%
・移転登記費用:0.3%から0.2%
・マンション:0.3%→0.1%
不動産取得税とは、不動産を取得した際にかかる税金です。一般住宅の場合は控除額が1200万円ですが、長期優良住宅の場合は1300万円控除されます。
長期優良住宅の場合、これらの控除を利用して、税金面での負担を軽くできることがメリットです。
2-3.フラット35の金利が優遇される
住宅ローンでもフラット35の金利が優遇される措置があります。フラット35とは、最長35年の全期間固定金利で利用できる住宅ローンです。質の高い住宅取得に適用されるフラット35Sを利用した場合、長期優良住宅だと当初5年間の金利が年0.75%、フラット35子育てプラスを利用した場合は1.0%引き下げられます。
さらに最長50年、全期間固定金利ローンのフラット50を利用可能です。金利は経済情勢などの影響を受けやすく注意が必要ですが、変動金利だけでなく固定金利という選択肢が増えることはメリットです。
2-4.補助金を受けられる可能性も
補助金や支援制度の中には、長期優良住宅の取得が条件になっているものもあります。
例えば、みらいエコ住宅2026事業では、条件を満たすと最大80万円の補助を受けることが可能です。施主本人が所有する既存の古家(解体工事)の除去を行う場合は、さらに20万円加算されます。
子育て世帯または若者夫婦世帯であり、かつみらいエコ住宅事業者と契約して長期優良住宅を建てた場合が補助金の対象です。子育て世帯または若者夫婦世帯である要件としては、申請時点で18歳未満の子がいる、または夫婦のどちらかが39歳以下であることのどちらかを満たしている必要があります。
2-5.快適で省エネな家になる
長期優良住宅は省エネ性能が高く、光熱費も抑えつつ快適な暮らしを実現できます。長期優良住宅の基準を満たすには高気密・高断熱・高耐震の家にすることが要件であり、夏は涼しく冬は暖かい快適な環境になるためです。
加えて、耐震性能も高い住宅になるため、地震にも備えられます。近年は自然災害などのリスクが高まっているため、万が一地震があっても、耐震性能を高めることで倒壊するリスクを減らし、安心できる住宅が実現できます。
2-6.リセールバリューが確保しやすい
長期優良住宅はリセールバリューが高く、万が一売却する場合に、高額での売却を実現しやすいことがメリットです。
長期優良住宅は建てた時点で高品質なだけではなく、住んでいる間の長期にわたって点検や住宅の品質維持の計画の作成や、点検記録を残すことまで義務付けられています。
そのため、次の買主に客観的な情報を残せるため、高く売れる条件を満たしやすい点がメリットです。
3.長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅にはデメリットもあります。具体的には以下の通りです。
・建築コストが上がる
・着工までに時間がかかる
事前にコストやスケジュールをよく確認して、検討すると後悔しない選択ができます。
3-1.建築コストが上がる
長期優良住宅の認定を受ける基準を満たすために、高水準な設備や仕様を採用する必要があるため、建築コストが上がりやすい点がデメリットです。耐震性やメンテナンス性の高い外装材の採用、省エネ性を高めるための断熱材など、材料・設備費・人件費などのコストがかさみやすくなります。
また、長期優良住宅の申請・審査にも費用がかかる点にも注意が必要です。一般的にハウスメーカーで手続き自体は進めてもらうことになりますが、申請書類や申請にかかる費用で合計20〜30万円程度となる場合があります。
減税や住宅ローンの金利優遇などもありますが、年収によっては減税効果がでにくく、支払い負担が大きくなるため、事前によく確認しておくことが大切です。
3-2.着工までに時間がかかる
長期優良住宅は着工までに、通常の住宅よりも1週間~1カ月、場合によってはそれ以上時間がかかる場合があります。着工までに長期優良住宅の認定を受ける必要があり、そのための時間がかかるためです。
建築確認申請を行う所管行政庁での審査のため、時間がどうしてもかかってしまいます。時間がかかることで、たとえば賃貸にお住まいの方は家賃が1ヶ月分余分に発生するなど費用の面で影響がでる可能性もあります。
ただし、長期優良住宅の建築経験が豊富な住宅会社であれば、申請や審査がスムーズに進み、それほど時間をかけずに進められる傾向にあります。
4.長期優良住宅の住まいを検討する際の注意点
長期優良住宅を建てる際には、住宅会社や工務店の選定が大切です。高性能で省エネルギーな住宅の建築実績が豊富かどうかも確認すると、安心して相談できることに加え、施工にも不安がなくなります。
長期優良住宅は入居後のメンテナンスも義務付けられているため、アフターメンテナンスやリフォームにも対応できる会社にお願いするのがおすすめです。
5.長期優良住宅を理解し長く安心できる住まいを
住まいを新築するなら、さまざまな優遇制度のある長期優良住宅について理解し、メリット・デメリットを比較したうえで検討することが大切です。
三菱地所ホームでは長期優良住宅が全棟標準仕様となっており、施工実績も豊富にあります。長期優良住宅を建てることを検討している方は、ぜひモデルルームに足をお運びください。
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