注文住宅を建てる場合、間取りや設備に加えて“床材”も選ぶことができます。種類や特徴を踏まえながら、機能性もマッチしたお気に入りの床材を選ぶのが理想的。しかし、自由度の高さから「床材ってどう選んだらいいの?」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、床材の重要性や種類、場所に合わせたおすすめの床材など解説します。
1.床材が住まいの機能と印象を大きく変える
床材は注文住宅を建てるとき以外、あまり意識されることがありません。しかし、床は建物に占める面積の割合が多いうえ、床材によって空間の印象も大きく変わるため、非常に重要なポイントです。
床材ごとに機能性や快適性もかなり異なっていて、居心地のよさを左右するといっても過言ではありません。壁や家具との調和・好み・ライフスタイル・予算なども意識しながら、自分や家族にとってお気に入りとなる床材を選びましょう。
たとえば、無垢フローリングは長く使うほどに味わいを増し、時間が経つごとに深みのある美しさを楽しむことができます。これに対し、複合フローリングは、メンテナンスが容易で耐久性が高く、特に忙しい家庭に向いています。
また、床暖房に対応した床材も多く、寒い季節でも快適に過ごせる利点があります。最近では、エコ意識の高まりからも、持続可能な資源としての無垢材の需要が増えてきているのです。
そのため、床材選びは見た目や価格だけでなく、機能やライフスタイルに合ったものを考慮することが大切です。実際のサンプルを見て触れることもおすすめです。
2.床材の種類
床材を選ぶ場合、まずは種類と特徴を押さえることが大切です。
一般的に、床材には無垢フローリング、複合フローリング、フロアータイル、クッションフロアなどの選択肢があります。
2-1.複合(合板)フローリング
合板に薄い木板や木目調のシートを貼り付けたものであり、木のフローリングでは最も馴染みがある床材です。丈夫かつ掃除やメンテナンスもしやすいため、多くの住宅で採用されています。機能性やデザインなど建材メーカーごとにバリエーション豊富に取り揃えられているのも特徴です。
複合(合板)フローリングは以下の3種類に分類されるので、こちらも把握しておきましょう。
(1)シートフローリング
表面材に木目調のシート(オレフィン製・樹脂製など)を使用。経年変化や風合いは楽しめない。
(2)突き板フローリング
表面材に本物の薄い木板(0.2~0.6mm程度)を使用。(1)より木の風合いがあり、機能性とコストのバランスがいい。
(3)挽き板フローリング
表面材に本物の厚い木板(2mm程度)を使用。無垢フローリングに近い質感を実現。
一般的に(1)~(3)の順にコストが高くなるので、予算を踏まえて検討しましょう。
2-1-1. (1)シートフローリング(化粧シート)
シートフローリング(化粧シート)は、フローリングの表面に樹脂や木目調のデザインを施したタイプの床材です。軽量で施工が簡単であり、色や柄のバリエーションが豊富なため、インテリアに合わせやすい特徴があります。手入れも比較的容易で、日常の掃除やメンテナンスがしやすいのもポイントです。木の質感を求めつつ、コストを抑えたい方に適しています。
2-1-2. (2)突き板(つきいた)フローリング
突き板(つきいた)フローリングは、非常に薄い無垢材を木製の基材に貼り付けた床材です。通常、表面の無垢材は約0.5〜5mmの厚さで、高い意匠性を持ちながらもコストを抑えることができます。木の温かみを感じられる一方で、化粧シートに比べて耐久性にも優れ、選び方によってさまざまなデザインが楽しめます。設置場所やニーズに合わせて、適切な突板フローリングを選ぶことで、居心地の良い空間作りが可能です。
2-1-3. (3)挽き板(ひきいた)フローリング
挽き板(ひきいた)フローリング は、無垢材の魅力を持ちながらも、コストパフォーマンスに優れた床材です。表面に約3mmの無垢の木材を使用し、その下に強い合板を加工することで、耐久性と質感を両立しています。木の温もりや見た目を楽しむことができる一方で、施工が容易なため、家庭や店舗で広く用いられています。
2-2.単層(無垢)フローリング

駒沢ステージ2ホームギャラリー1階の無垢フローリング
一本の自然の木(無垢材)から板を切り出して、それを加工した床材です。無垢フローリングの主な原材料はヒノキ、スギ、パイン材、オーク、ウォールナット、チェリーなどが主流です。混じりけのない天然木材から作られているので、木が本来持っている質感や温もりを感じたり、経年変化を楽しんだりすることができます。さらに、単層(無垢)フローリングは熱伝導率が低いため、素足で触れてもひやっとしにくいこともメリットです。
無垢フローリングは、特に意匠性や質感を重視する方におすすめです。しっかりとした木の質感は、住まいの印象を大きく変え、居心地の良い空間を提供します。
一方、定期的にメンテナンスしないと変形や汚れが起こりやすい、複合(合板)フローリングに比べてコストが高いといったデメリットもあります。しかし、近年では無垢フローリングの手入れ方法やメンテナンスが簡素化された製品も増えており、安心して使用できる環境が整いつつあります。
また、無垢材はそれぞれ異なる表情を持ち、選ぶ樹種によっても雰囲気が変わります。オークやウォールナット、チェリーなど、自分の好みに合わせた選択ができるのも魅力の一つです。手間やコストを踏まえても、天然木材ならではのメリットは魅力的です。
2-3.タイル
タイルは陶器から作られた床材であり、1枚ずつ並べて設置します。硬くて水に強いため、リビングより玄関や土間に用いられることが多い床材です。デザイン性に優れているので、近年はキッチンの床やお手洗い、洗面室など水回りにも使われるケースが増えています。
シンプルなものから装飾性の高いものまで、豊富な種類が揃っており、自分の好みに合わせたデザインを選ぶことができるのが魅力です。さらに、タイルは耐久性が高く、傷や汚れにも強いことから、メンテナンスが比較的容易です。
ただし、足に対する負担が大きい、ひんやりしやすいといったデメリットもあるため、場所を選んで用いることが大切です。特に乾燥した季節や冷たい季節には、寒さを和らげるためにラグを敷くなどの工夫が求められます。タイルは美しさと機能性を両立させた床材として、用途に応じて最適な選択肢となるでしょう。
2-4.畳
畳はい草を編んで作られた日本古来の床材です。木材や石材に比べると弾力性が高く、座ったり横になったりしても身体が痛くなりにくいので、のんびり過ごしたいときに役立ちます。
また、い草特有の香りによるリラックス効果、快適な空間を作り出す調湿効果も畳ならではのメリットです。
その一方、カビやダニが発生しやすい、毛羽立ちが起こりやすいといったデメリットもあります。
メンテナンスも欠かせないので、その辺りを踏まえて検討しましょう。
2-5.カーペット
カーペットはふかふかとした感触を持つ、ソフトな床材です。クッション性と遮音性が高いので、高齢のご両親や小さなお子さまがいる家庭に向いています。
また、保温性に優れているため、冬の時期でも足元が冷たくなりません。
デメリットとしては、水や食べ物をこぼしたときの掃除が大変なこと、経年劣化しやすいことが挙げられます。
さらに、カーペットは埃やダニがこもりやすいので、定期的な掃除やメンテナンスが必要です。
特にアレルギーをお持ちの方には、適切な材質や加工のものを選ぶことが重要です。
デザインも豊富で、部屋の雰囲気に合わせやすい点は魅力の一つです。
最近では、抗菌加工や防汚加工が施されたカーペットも増えているため、使い勝手が向上しています。
2-6.クッションフロア
クッションフロアはビニール素材で作られた床材です。防水性が高いので、水などをこぼしても簡単に拭き取れます。また、クッション性が高く怪我をしにくい、コストパフォーマンスに優れているといったメリットも見逃せません。
一方、安価で取り入れやすいものの見た目の高級感に乏しい、凹みや変色が起こりやすいといったデメリットもあります。
ただし、近年は木目調やコルク風など、見た目が改善された製品も登場しているため、メリットを活かしてうまく取り入れたいところです。
クッションフロアは学習机や遊び場など、多様な用途にも適しており、子ども部屋などで安心して使用できる材料として人気があります。
また、施工が容易であるため、リフォームを考えている方にも最適な選択肢となります。
デザインのバリエーションも豊富で、部屋の雰囲気に合わせたスタイルを選ぶことができるのが魅力です。
3.場所別におすすめの床材を紹介
次はどんな場所に・どういった目的で・どの床材を選ぶべきなのか、場所ごとにポイントを紹介します。
3-1.リビング
リビングはテーブルやソファなど重たい家具を置くことが多いため、凹みに強いフローリングがおすすめです。
手間をかけても自然の風合いを楽しみたいなら無垢フローリング、機能性や耐久性を求めるとき、あるいは床暖房を使いたいときは合板フローリングが適しています。技術の進歩によって、近年は合板でも本物の木目と同じような質感や高級感のある製品が多いため、サンプルなどで実物を確認してから選びましょう。
また、リビングのフローリングでは色も重要となってきます。落ち着いた雰囲気にしたいならダークカラー、爽やかなイメージを望むならライトカラーが適していますが、最近はグレイッシュカラーも人気です。
さらに、リビングは家族が集まるスペースであり、居心地の良さを求める方も多いでしょう。そのため、質感や肌触りにもこだわり、無垢フローリングの選択は非常に有意義です。
注文住宅ならフローリングの組み方も自由に選ぶことができます。三菱地所ホームでは最近注目されている「ヘリンボーン」や「斜め貼り」を採用した物件を取り扱っているので、ぜひ参考にしてみてください。

短い木材をV字に組み合わせたヘリンボーン張りの床

斜め張りの床
3-2.キッチン
キッチンは水ハネや油ハネが起こりやすいため、汚れを拭き取りやすい合板フローリングもしくはクッションフロアがおすすめです。汚れの心配をせず家事に取り組めるようになるので、作業効率も上がるでしょう。
また、最近はデザイン重視でタイルを採用するケースも増えていますが、キッチンなら塩ビ製のフロアタイルが最適です。無地・磁器・木材・天然石などデザインが豊富であり、なおかつ防水性や耐久性も高いので、相性ぴったりといえます。
キッチンは家事をする場所であるため、機能性だけでなく見た目にもこだわる方が多いです。そのため、タイルの選択肢ではデザイン性が充実しているため、インテリアに合わせたスタイルを選ぶことができます。
さらに、タイルは掃除が簡単で、耐久性が高いので長期間の使用にも適しています。食材の落下や水分がかかりやすい環境でも安心して利用でき、結果としてキッチンの快適さを向上させることができます。
3-3.脱衣室、トイレ
脱衣室やトイレはどうしても水に濡れることが多いため、防水性に優れたクッションフロアがおすすめです。フローリングにしたい場合、合板フローリングにマットを敷くなど、水濡れ対策を施しましょう。
デザインにこだわるならタイルも一考ですが、最近は合板の上に水に強いシートを貼り付けて、フローリングやタイルのような質感に見せる床材もあります。
特に脱衣室や洗面所では、湿気に強い素材が重要ですので、見た目の美しさとともに機能性にも注意を払いましょう。クッションフロアやタイルは、掃除がしやすく、衛生的に保ちやすい点でも優れています。
トイレは狭いスペースであるため、明るい色合いの床材を選ぶことで、空間が広く感じられる効果も期待できます。また、アクセントとして柄物のタイルやクッションフロアを活用するのも、個性的な演出ができるポイントです。
3-4.寝室

カーペットの寝室
寝室はベッドの重さで凹みにくいフローリングのほか、カーペットで暖かさやリラックス感を演出するのもおすすめです。
カーペットならスリッパで歩くときの足音なども軽減されるので、よく眠れる環境を作ることができます。三菱地所ホームの物件では全館空調「エアロテック」を採用しているので、ダニやほこりも気になりません。
3-5.子ども部屋
子ども部屋はお子さんが動き回って傷がついたり、クレヨンなどの汚れが付着したりするため、合板フローリングあるいはクッションフロアがおすすめです。
「足音を軽減したい」「小さい頃から本物の質感を大切にしたい」など重視するポイントを考慮しつつ、お子さんの年代や間取りに合わせて選択しましょう。
さらに、カーペットを敷くことも選択肢の一つです。カーペットは柔らかい素材で、転倒時の怪我を防ぎつつ、温かみのある空間を実現します。
カーペットは色やデザインが豊富で、子ども部屋の雰囲気を明るく楽しいものにすることができます。
お子さんの成長や家族構成の変化など将来性も踏まえておくと、最適な床材が見つかります。
3-6.玄関

タイルの玄関
玄関は訪れる人を最初に迎える場所であるため、明るく清潔感のある印象を持たせることが重要です。
また、玄関の床は頻繁に踏まれるため、耐久性の高い素材を選ぶことで長持ちさせることができます。
最近では、タイルとフローリングを組み合わせるスタイルも人気で、よりおしゃれで機能的な玄関デザインを楽しむことができます。
タイルは水や汚れに強いため、雨の日でも安心して使えるのが魅力です。
デザインも多様で、シンプルなものから装飾性のあるものまで選ぶことができ、玄関の印象を大きく変えることができます。
このように、玄関の床材選びは見た目だけでなく、使い勝手や持ちの良さを重視した選定が求められます。
4.床材・フローリング材価格の目安は?
床材やフローリング材を選ぶ際、価格は非常に重要な要素です。特に無垢材は高級感と自然な風合いが魅力的ですが、価格が高めになることが一般的です。一方で、シートや合板フローリングは比較的安い価格で、多様なデザインが選べるため人気があります。
また、タイルなどの素材も選択肢として挙げられ、使用する場所や求める機能によって価格は変わります。多様な種類の中から、自分に合った床材を見つけるためには、各材料の特徴と共に予算をしっかり考えておくことが大切です。
4-1.床材の価格比較に!知っておきたい広さの基準単位
床材を選ぶ際には、価格比較が重要です。特に、1坪(約3m×3m)の広さで床材を購入する場合、その価格は種類によって異なることが多いです。無垢フローリングは高価格帯に位置する一方で、合板フローリングやクッションフロアはより手頃な選択肢となります。適切な選択をするためには、広さに基づいた具体的な価格を把握しておくことが大切です。
床材の価格を比較する際には、基準単位を明確にすることが鍵となります。例えば、フローリング材の価格は、1m2(平方メートル)あたりで表されることが一般的です。そのため、1坪の広さをm2(平方メートル)に換算すると、約3.3m2(平方メートル)となります。このため、1坪あたりの床材の価格は、1m2(平方メートル)あたりの価格に3.3をかけたものとして計算できます。
また、各種床材の梱包形態を確認することも重要です。たとえば、合板フローリングが1ケースに含まれる面積が異なれば、ケース単位での比較が必要です。これにより、実際に購入する際のコストをより的確に把握できます。例えば、1ケースが12枚入りで約2.5m2(平方メートル)をカバーする場合、1m2(平方メートル)あたりの単価を明確に出すことができ、他のタイプの床材との比較が容易になります。
さらに、床材購入の際には、定期的にセールを行っているホームセンターやオンラインショップを利用することも効果的です。特にフローリング材は季節によって価格が変動することが多く、タイミングを見て購入することでお得に手に入れることができるでしょう。これらを踏まえた上で、広さに基づいた具体的な価格を算出し、自分の住まいに最適な床材を選択する際の一助となります。
5.床材にこだわって美しく居心地のいい住まいを
床材と一口にいっても種類はさまざまであり、特徴もそれぞれ異なっています。
美しく居心地のいい住まいを実現するためには、適材適所を意識しながら、見栄えと機能性を兼ね揃えた床材を選ぶことが大切です。
三菱地所ホームのホームギャラリーでは、床部分も含めて多数のサンプルを用意しているので実際に色や質感をご確認いただけます。
実際に床材をチェックして、気になる点があれば気軽にお問い合わせください。







