建て替えを検討していると、工事中の住まいに不安がある人も多いのではないでしょうか。さまざまな選択肢がありますが早めに目処を建てておくと、安心して住まいの計画を立てられます。
そこで、仮住まいの失敗例から仮住まいの選択肢ごとの特徴、費用やスケジュールの立て方などを解説します。
1.なぜ仮住まいが必要?建て替え期間中の「中」には住めない現実

仮住まいは、建て替え期間中必ず必要になります。建て替え工事中は、安全な場所がほぼなく、生活インフラも停止しており、住み続けられる状態ではありません。また、解体工事の騒音・粉じんなど、生活に支障が出る問題も多々あります。「住みながらの建て替え」は、ほぼ不可能です。
建て替えをする場合、仮住まいの期間は短くても3か月〜6か月、長いと1年を超える場合もあります。実家に戻るという選択肢もありますが、距離や家族の事情で難しい家庭もあるでしょう。その場合仮住まいが現実的な選択肢となります。
2.建て替え中の仮住まいで後悔する理由|賃貸選びで多い失敗とは?

建て替え中仮住まいはどうしても必要になりますが、いざ仮住まいを始めると物件選びで失敗し、後悔するケースが少なくありません。ここではどのような失敗が多いのか、事例を紹介します。
2-1 ペット可の物件が見つからず妥協してしまった
ペット可の物件は数が限られており、仮住まいの候補が限られます。特に都市部や駅近物件で探そうとするのは困難です。
そのため、家賃・間取り・設備などの希望条件通りの物件が見つからず、妥協するケースがあります。無理に住みづらい物件を選ぶと生活が不便になり、結果として騒音・ニオイ・近隣トラブルなどが起きることもあるかもしれません。
2-2 仮住まいの費用が予想以上にかかってしまった
仮住まいの費用が、当初の予定よりかかってしまうこともよくある失敗例です。仮住まいを契約すると、家賃・敷金・礼金・火災保険などの初期費用が少なからずかかります。
加えて、建て替え前の住宅から仮住まいへの引っ越し、仮住まいから新居への引っ越しと2回分の引っ越し費用がかかることもネックです。
荷物が多いと、一時預かりサービスなどを使って、一定の期間荷物を倉庫などに預かってもらう方法もありますが、このサービスにかかる費用も少なくありません。
ペット可や築浅の物件は家賃が高めで、トータル費用が膨らみがちです。そのため、仮住まいで想定以上の費用がかかってしまうケースもあるでしょう。
2-3 仮住まい先での郵便トラブルや手続きの煩雑さ
仮住まい先での郵便トラブルや手続きが煩雑なことも問題点です。郵便物の転送手続きが遅れると、建て替え前の住所に大事な書類が届き、建て替え前の家に郵便物を取りに行かなければいけなくなる可能性もあります。
また、住民票や免許証の更新、電気・ガス・水道・インターネットなど各種契約の変更漏れがあると、後々の手続きで問題になることもあるでしょう。
最初に転送手続きをしていても、転送手続きの期間は1年のため、仮住まい期間が長引くと、転送期間が過ぎた後で旧住所に送られてしまうこともあります。仮住まいであっても正式な住所であるため、面倒ではあってもこれらの手続きは欠かせません。
2-4 引っ越しの回数と荷造り・荷解きのストレス
引っ越しが2回発生することで、荷造りや荷解きなど、生活の中断が2度発生することは大きなストレスになります。家族での引っ越しは荷物がどうしても増えてしまうため、荷造り・荷解き・再梱包が想像以上に面倒になりがちです。
特に、人数が多い子育て世帯、体力的や精神的に負担が大きい高齢者、忙しく時間の確保がしにくい共働き家庭の場合、負担は大きくなってしまいます。荷物の一部を倉庫に預けるケースも多く、管理が面倒になりやすいことも問題点です。
3.仮住まいの選択肢とそれぞれの特徴

仮住まいと一言で言っても、大まかに4つの選択肢があり、家族の人数や条件で選ぶべき物件は変わります。ここでは、物件ごとの特徴について解説します。
3-1 一軒家タイプ:生活スタイルを維持しやすいが物件は少なめ
一軒家タイプの物件は、家族の生活スタイルをほぼ変えずに暮らせることが特徴です。また、一定の広さがあり、生活スタイルを維持しやすくなります。駐車場付きや庭付きの物件もあり、荷物が収納しやすい点も魅力です。
デメリットとしては、家賃や初期費用が高めなことが挙げられます。また、空き物件も限られるため、探すのに時間がかかりがちです。また、戸建て物件は築古物件が多い傾向にあり、新しい家を希望する場合には希望の物件が見つけられないことがあります。
また、ペット可の一軒家の物件も探せばあるものの、希少です。そのため、ペットを飼っている場合、希望の条件を満たした物件がないケースもあります。
3-2 UR賃貸:礼金・仲介手数料なしで安心感あり
UR賃貸は敷金以外の初期費用を抑えられることが大きなメリットです。礼金や手数料、更新料がかからないうえ、所得制限や入居条件がゆるやかなため、条件の面では「入居できない」といった問題も起こりにくいでしょう。
デメリットとしては、空室が出るかどうかがタイミング次第な点です。空きがでない場合には、入居できず選べないこともあります。また、場所としては、地方や郊外に多い傾向があり、場所が限定的です。都心や駅近を希望している人には希望の物件がないこともあります。
また、ペット不可の物件が多く、ペット可の場合でも制約があることがほとんどです。
3-3 マンションタイプ:バランス重視だが上下左右の音に注意
マンションタイプは、賃貸やマンスリーマンションを契約して住む方法です。エアコンやオートロックなど、生活設備がある程度揃っていることもあり、生活面で不便さを感じにくいでしょう。
家賃については築年数や立地によって違いがあるものの、ある程度の幅があるため、条件を満たす物件が見つけやすくなっています。
デメリットとしては、部屋数が限られるため、家族の人数次第では狭いと感じることがあります。また、上下階や近隣の生活音、子どもの足音などの問題が起こりやすい点がネックです。
ペット可の物件も比較的見つけられますが、家賃がその分高くなる傾向にあります。
3-4 ホテル暮らし:短期利用に便利だがコスト高・収納なし
ホテル暮らしは引っ越しや水道光熱費の負担がなく、家具や家電もあり、すぐに入居開始できる点がメリットです。スーツケース1つ分の荷物があれば入居でき、手間がかかりません。
デメリットとしては、長期的に見るとコストが高く、生活費がかかりやすい点です。1泊あたりの費用が高いことに加え、自炊が難しく、洗濯設備がないケースもあり、生活コストが高くなる傾向にあります。また、荷物が多いと倉庫に預ける必要が出てしまい、保管料もかかります。
単身者や夫婦2人世帯など少人数でかつ、比較的短期間の建て替えで済ませられる場合には有効な選択肢となるでしょう。
4.仮住まいにかかる費用は?敷金・礼金・荷物の保管まで

仮住まいにかかる平均費用の相場は100〜150万円ほどです。賃貸契約に必要な敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用がかかります。家賃については、新築完成まで数ヶ月から1年程度支払いが必要です。
また、引っ越しが2回あるため、引っ越し代も2回分支払う必要があります。仮住まいに荷物が収まらない場合には、荷物を倉庫に預ける保管費用も別途必要です。
条件を求めると、家賃が上がり、仮住まいに必要な費用も上がります。例えば、ペット可の物件、家具付きの物件、駅近など条件を増やすほど家賃が上がり、生活負担が大きくなるでしょう。
5.仮住まいを探すタイミングとスケジュールの立て方

仮住まいを探すタイミングは、建て替え計画が固まった時点には探し始めるのが理想です。建て替え計画が決まった段階では、既存家屋の解体開始から2~3か月前程度であり、仮住まいを選ぶ余裕が生まれます。
解体〜建築完了までの全体スケジュールをハウスメーカーに確認しておくと、仮住まいの契約期間や退去日を適切に設定できます。人気エリアはすぐに埋まるため、希望の条件があれば、仮押さえも検討しましょう。
また、家族の学校・職場・介護など生活スケジュールも考慮して仮住まい先を選ぶと、生活後のトラブルを未然に防げます。高齢者や小さな子どもがいる場合、仮住まい先のバリアフリーや安全性にも配慮が必要です。
6.仮住まいの探し方|見つからなくなる前に知っておくべきコツ

仮住まい探しで後悔しないためには、ハウスメーカーや不動産会社と連携して、早めに探し始めるのが鉄則です。建て替えの打ち合わせと並行して、仮住まいの検討も進めていく必要があります。
最初に、エリアを広げておくと選択肢が増えるため失敗しにくくなるでしょう。公共交通機関の利用も視野に入れることもおすすめです。希望の条件を見つけやすいよう条件を整えておくと、失敗しにくくなります。
ただし、すべての希望条件を満たすのは難しいこともあります。そのため、希望条件の優先順位を決めておき、家賃の上限や間取り、ペット可な物件など、譲れない条件は優先順位をつけておきましょう。
希望の条件で見つけるためには、不動産ポータルサイトだけでなく、URや地元不動産もチェックし、幅広い条件で探すことが大切です。
7.仮住まいも「住まいづくり」の一部。後悔しない選び方を

仮住まいの期間は不自由な部分が出てくるかもしれませんが、計画的に動くことで最適な仮住まいを選びやすくなります。
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