注文住宅の新築を検討するにあたり、リビング階段をつけるべきか迷っている人は多いのではないでしょうか。
リビング階段を設置すれば、快適性やコミュニケーションに関するメリットを享受できます。一方、デメリットも発生するため、事前に把握しておきたいところです。
今回の記事では、リビング階段の基礎知識を踏まえつつ、注文住宅に設けるメリット・デメリット、おすすめの寒さ対策について、リビング階段の間取り実例とともに解説します。
1.リビング階段とは
リビング階段とは、リビング内に設ける上階への階段のことです。廊下や玄関ホールに設置されるホール階段と区別するため、一般的に「リビング階段」や「リビングイン階段」と呼ばれています。
リビング階段を設置した場合、ホール階段を設ける必要がなくなります。そのため、廊下や玄関ホールを縮小しつつ、リビングのスペースを広く確保できることが強みです。
昨今、リビング階段つきの間取りは注文住宅で好まれています。
2.注文住宅のリビング階段のメリット
注文住宅にリビング階段を設けることで、以下のようなメリットが発生します。
・吹き抜けの大空間をつくれる
・家族のコミュニケーションの機会が増える
・扉を開けずに2階に上がれる
・スケルトン階段や手すりが空間のアクセントになる
各メリットの詳細もまとめました。
2-1.吹き抜けの大空間をつくれる
リビング階段と吹き抜けはどちらも縦方向に空間を広げるため、相性が良い組み合わせです。両者を組み合わせると、インパクトのある大空間をつくることができます。
吹き抜けの上部に窓を設置すれば、自然光を採り入れやすくなるため、注文住宅ならではの明るくおしゃれな空間を実現可能です。また、リビングが吹き抜けの大空間になることで、人が集まりやすい場所になることもメリットといえるでしょう。
2層の窓とリビング階段で圧倒的な開放感を演出した実例はこちら
2-2.家族のコミュニケーションの機会が増える
リビング階段を設けることで、階段を上り下りする家族と顔を合わせる頻度が増えるので、自然と家族間でコミュニケーションをとる機会が増加します。学校・会社で起こったことを伝えたり、ニュースで見かけたことを共有したりするなど、話しかけるきっかけを創出できる点がメリットです。
ホール階段の場合、お子さんが成長した際に玄関からリビングを経由せず、そのまま2階の自室へと上がってしまうケースが多くなります。そのため、コミュニケーションの機会が減少しがちです。
家族がコミュニケーションを取りやすいリビング階段の実例はこちら
2-3.扉を開けずに2階に上がれる
リビング階段を設けた場合、1階のリビングから扉を開けずに2階へ上がれるため、動線がスムーズになることもメリットです。
例えば、1階で洗った洗濯物を2階の個室まで持って行ったりするときにも、扉がないことでラクに上がることができます。扉がないため、食事の用意ができたことを伝える際にも、2階に上がらなくても声が届きやすいでしょう。ちょっとした家事を時短できることで、時間的な余裕が生まれます。
2-4.スケルトン階段や手すりが空間のアクセントになる
リビング階段のデザインにこだわることで、リビング階段自体がオブジェのように機能します。色や素材の組み合わせは無限大であり、自分の好みに合わせてデザインを調整することが可能です。
例えば、開放感のあるスケルトン階段にしたり、アイアン製の手すりを設けたりすることで、リビングのアクセントになります。その他、住宅には珍しい螺旋階段を採用したり、階段下に収納スペースを設けたりするなど、幅広いデザインを検討できる点がメリットです。
インテリアに合わせて、スケルトン階段の踏板を白にするのもおすすめ
3.注文住宅のリビング階段のデメリット
注文住宅にリビング階段を設置した場合、以下のようなデメリットが発生します。
・冷暖房が効きにくい
・音やにおいが2階まで広がりやすい
・家族のプライバシーを確保しづらい
・お子さんが転倒するリスクがある
実際に計画を立てる際はメリットだけではなく、デメリットもきちんと押さえておきましょう。
3-1.冷暖房が効きにくい
リビング階段を設置した場合、1階のリビングと2階が一つの空間に収まります。空間が上下に広くなると、冷暖房効率は悪化しやすくなるため、暑さ・寒さを感じやすくなります。
冷暖房の温度設定や風量を調整すれば、広範囲に冷気・暖気を送り届けることはできますが、代わりに光熱費がアップしてしまいます。
3-2.音やにおいが2階まで広がりやすい
リビング階段によって1階と2階がつながると、1階から発生する音やにおいが2階まで届きやすくなります。リビングでの会話している際の声、キッチンで調理している際のにおいなどが2階に広がると、家族は不快感を覚えるかもしれません。
音やにおいの拡散を防ぐためには、リビング階段と2階個室の位置を離したり、2階にホールや廊下を設けたりするなど、間取りの工夫が大切です。また、床や壁に防音性の高い素材を使ったり、換気扇や通風孔を設置したりするなど、設備面の対策も必要となります。
3-3.家族のプライバシーを確保しづらい
リビング階段がある場合、家族と顔を合わせる機会が増えます。しかし、2階へ移動する際にリビングを経由しなければならないため、プライバシーを確保しづらいことがデメリットです。
例えば、お子さんが友人を連れてきた場合、家族がリビングでリラックスしにくくなる可能性があります。また、思春期のお子さんは多感なので、リビングでの顔合わせを嫌がるかもしれません。
プライバシーを守りたい場合、リビング階段の使用頻度を減らせるよう、2階にもトイレと洗面所を設けたいところです。
3-4.お子さんが転倒するリスクがある
リビング階段をスケルトン階段にした場合、小さなお子さんが転倒してしまうリスクが発生します。スケルトン階段は通常の階段と違って蹴込み板がなく、足をつまずいてしまう可能性が高いためです。
特にお子さんが小さい場合、サイドに安全ネットを設置するといった安全対策が必要となります。
4.後悔しないために！ リビング階段におすすめの寒さ対策
リビング階段を設置した場合、特に問題になりやすいポイントが「寒さ対策」です。リビング階段の特徴を踏まえると、以下のような寒さ対策をおすすめします。
・断熱性が高い家にする
・全館空調にする
・引き戸をつける
それぞれ詳細も解説します。
4-1.断熱性が高い家にする
リビング階段に吹き抜けを組み合わせた間取りの場合、家そのものの断熱性を高めると、冷暖房効率を向上させることができます。断熱性の高い家は外気温の影響を受けにくく、室内の暖気を逃がしにくくなるためです。
また、家の断熱性が向上すれば、室内の温度差が小さくなるので、どの場所にいても快適に過ごしやすくなります。特に寒い時期は温度差によるヒートショックが起こりやすいため、ヒートショック予防の観点から考えても断熱性は重要です。
4-2.全館空調にする
全館空調を導入すれば、家中の温度を一定に保てるため、リビング階段があっても1年中快適に過ごせます。
三菱地所ホームが独自開発した全館空調システム「エアロテック」は、たった1台の室内機で24時間365日、いつでも冷暖房と換気を行うことが可能です。家中すみずみまで快適な室温で満たしつつ、きれいな空気を取り込めるので、家族の健康促進につながるでしょう。
リビング階段や吹き抜けはもちろん、廊下やロフトも含めて快適になるため、冷暖房の効きを気にせず家全体を有効活用できます。
4-3.引き戸をつける
リビング階段に引き戸やロールスクリーンカーテンを取り付けると、空気の流れを遮断できます。見た目の開放感は損なわれるため、リビング階段のメリットが一部減少しますが、冷気の侵入を防ぎやすくなる性質上、寒さ対策としては非常に有効です。
透明なクリアタイプの引き戸を選ぶと、開放感も演出できるようになります。
5.リビング階段のデメリットを知りしっかりと対策しよう
リビング階段は吹き抜けと組み合わせると、注文住宅ならではの ダイナミックでおしゃれな空間をつくることができます。家族間のコミュニケーションを促進できる、移動の負担を軽減できるといった点もメリットです。
いくつかデメリットもありますが、事前に対策を講じておけば、後悔のない機能的な住まいを実現できます。
三菱地所ホームでは、全館空調によってリビング階段のデメリットを解消し、メリットの効果を高める住まいを提案しています。気になる人はぜひ一度モデルハウスへお越しください。
